三河 安祥城
Anjo castle
安祥城址公園【愛知県安城市安城町城堀４１】
安城市歴史博物館・安祥公民館【愛知県安城市安城町城堀３０】
富士塚・安城コロナシネマワールド【愛知県安城市浜富町６－８】
東条塚・市営多門霊園【愛知県安城市安城町多門】
千人塚・安祥寺墓地【愛知県安城市安城町荒下２２－５】
大乗寺【愛知県安城市安城町赤塚１】
八幡社【愛知県安城市安城町城堀７１】
明法寺【愛知県安城市安城町拝木１０７】
【立地】丘城
【別称】森城・安城城
【市指定史跡】安城城址・本多忠高墓碑・本多忠豊墓碑・中川覚右衛門墓碑・東条塚・富士塚
【安祥松平家】長家
【松平宗家】親氏 ― 泰親 ― 信光 ― 親忠 ― 長親〔長忠〕 ― 信忠 ― 清康 ― 広忠 ― 家康
【歴史】１４４０年、和田親平の築城とされる。１４７１年松平宗家３代松平信光〔１４０４～１４８
８年７月２２日〕の攻略により松平宗家４代松平親忠〔１４３８～１５０１年８月１０日〕－１４９６
年５代松平長忠〔１４７３～１５４４年〕－１５０９年６代松平信忠〔～１５３１年７月２７日〕－１
５２２年７代松平清康〔１５１１年９月７日～１５３５年１２月５日〕の居城となる。１５２４年松平
清康が岡崎城へ移ると、松平宗家４代親忠の子松平長家が城代を務め、１５３５年松平清康が殺害され
る〔守山崩れ〕と、１５３７年家康の父松平宗家８代広忠が岡崎城主となる。１５４０年「第一次安城
合戦」では城代の松平長家〔松平宗家４代親忠の子〕、松平信康〔広忠の弟〕、藤井松平利長、松平康
忠〔４代親忠の八男張忠の子〕、松井忠次ら１０００の軍勢でよく護ったが、織田信秀〔信長の父〕３
０００の軍勢に攻められ、落城となる。その後１０年間は織田氏の持城となるが、その間、佐々木城〔
岡崎市〕の松平忠倫、上野上村城〔豊田市〕の酒井忠尚らは織田氏に与した。１５４５年岡崎の松平広
忠は安祥城奪回〔第二次安城合戦〕に動くが、上条〔安城市〕で織田軍の挟み撃ちに遭い、広忠は敗れ
て危うくなった。本多忠豊〔本多忠高の父〕は広忠を岡崎へ逃がし、同地に留まって奮戦、戦死した。
１５４７年「小豆坂の戦い」を経て、１５４９年広忠が家臣の岩松八弥に殺害されると、援助を受けて
いた今川方の大原雪斉２万の兵が三河へ急進。岡崎城、丸根・鳴海に軍を派遣しつつ安祥城を包囲し、
織田信広を降伏させ、落城となった。この戦で本多忠高〔本多忠豊の子・徳川四天王本多平八郎忠勝の
父〕は敵の矢に討たれて戦死。その後、今川氏の天野景貫、井伊直盛が入城し、１５６０年「桶狭間の
戦い」で今川義元が討たれるまで、今川氏の支配下となった。１５６２年清洲攻守同盟により、安祥城
の廃城が決まるが、１５８４年「小牧、長久手の戦い」で家康が利用した形跡がある為、１５９０年家
康の関東移封まで存在したと考えられる。現在は大乗寺、八幡社、安祥城址公園、安城市歴史博物館、
安祥公民館などに変わり、曲輪、土塁などが残る。
【所感】安祥城址公園内に２つの盛山が在り、大乗寺が本丸、八幡社が二の丸、そして安城市歴史博物
館、安祥公民館の場所が三の丸になります。公園ではウォーキングや犬の散歩、博物館でお茶を飲む人
など市民の憩いの場になっています。松平長家、松平宗家４代に亘る居城となりましたが、遺構の方は
乏しく、往時の状況を想像するに難しい状態になっています。大乗寺の山門を降りた場所に安城歴史の
散歩道の地図があります。これは安祥城攻防戦で戦死した人々の墓碑・塚、矢作川決壊の際、村民を救
った中川氏、城主、村民が利用した七ツ井などを散策出来るようになっています。私も運動がてら回っ
てみました。安城市歴史博物館の南西８００ｍ程の安祥寺墓地に千人塚、安祥寺墓地北隣りの市営多門
霊園に東条塚、安城コロナシネマワールド敷地南辺に富士塚が在ります。
主郭・大乗寺
主郭・大乗寺〔写真：左〕安祥城址の石碑〔写真：右〕
主郭南東の隅櫓台〔写真：左〕主郭南端の切岸〔写真：右〕
安祥城功防戦で亡くなった女性を葬った姫塚〔写真：左〕主郭－二の郭間の堀跡〔写真：右〕
二の郭・八幡宮
二の郭・八幡宮〔写真：左〕安祥城攻防戦で戦死した安城村の法師「善恵坊」の碑〔写真：右〕
三の郭・安城市歴史博物館〔写真：左〕三の郭・風呂井（七ツ井）〔写真：右〕
主郭北の隅櫓跡〔写真：左〕本多忠豊墓碑〔写真：右〕
本多忠高墓碑・大乗寺〔写真：左〕富士塚・第一次安城合戦戦死者の塚〔写真：右〕
東条塚・東条松平康忠の塚〔写真：左〕千人塚・安城合戦戦死者の塚〔写真：右〕
中川覚右衛門自刃の地・大乗寺〔写真：中央〕中川覚右衛門墓碑・明法寺〔写真：右〕
七ツ井
