出羽 東根城
Higashine castle

    東根城跡【山形県東根市本丸南・本丸西・本丸北・本丸東】
東根小学校・本丸【山形県東根市本丸南1丁目1-1】
     光專寺【山形県東根市本丸東1丁目12】

【立地】丘城
【別称】小田島城・東根陣屋

【国指定特別天然記念物】東根の大ケヤキ

【歴史】1347年小田島長義の築城とされる。長義は初め三浦姓を名乗り、鎌倉幕府の重臣として仕
えたが、その後、北条氏との勢力争いに敗れ、当地に逃れて小田島氏を名乗った。1395年斯波氏の
一族天童頼直の四男頼高が東根氏の祖となり、頼在-頼厚-頼宗-頼舜-頼息-頼景と続く。1584
年最上義光は義弟の天童城主天童頼澄を攻めて落城。嫡子の無い東根城主東根頼景も天童頼澄の二男を
城主に迎えていた為、同じく攻撃を受けて落城した。その後、東根城の家老里見景佐が城主となり、最
上氏に仕えた。1622年最上氏の改易に伴い、里見氏も阿波国へ流され、山形藩主鳥居忠政の預かり
となった。1661年東根城は破却、二の丸跡地に陣屋が置かれ、宇都宮領・白河領を経て、1742
年幕府領となる。続いて漆山代官陣屋の出張陣屋、1764年長瀞陣屋の支配、1818年尾花沢代官
所の出張陣屋を経て、最後、1855年松前藩の代官陣屋となって幕末を迎える。現在、小学校、住宅
になり、水堀が残る。


【所感】国指定特別天然記念物の「東根の大ケヤキ」が聳え立つ東根小学校が東根城の本丸です。ケヤ
キの高さは28m、地上120cmの幹周は16m・直径5mで樹齢は1500年以上と云われ、城の
歴史を終始見てきたこの大木も遺構の1つに入れたいくらいです。東根小学校を「本丸」とし、小学校
北東側の「光専寺沼」、小学校西側の「龍興寺沼」「中沼」は曲輪間の水堀、光專寺沼から北へ延びて
山王神社で西へ折れる側溝〔本丸北1丁目5〕は二の丸の水堀、本丸西2丁目1エリアに在るクランク
した水堀も三の丸水堀の一部として残っています。三の丸水堀は住宅に囲まれた中に在る為、私は庭で
草刈りをしている人に許可を得て、民家裏から三の丸水堀を撮らせて頂きました。




小田島城本丸跡の石碑・東根小学校



樹齢1500年以上 東根の大ケヤキ【国特別天然記念物】・東根小学校



城跡らしい雰囲気の東根小学校



光専寺沼



龍興寺沼



中沼



三の丸薬研堀