信濃 伊豆木陣屋
Izuki Jinya

伊豆木陣屋跡・旧小笠原家書院【長野県飯田市伊豆木3942】
     移築太鼓門・専照寺【長野県飯田市伝馬町2丁目9】

【立地】丘城
【別称】旧小笠原家書院

【国重要文化財】旧小笠原家書院

【歴史】1600年「関ヶ原の戦い」の後、武蔵国児玉郡本庄から伊豆木秣科1000石で
構えた陣屋である。1590年「小田原征伐」の際、徳川軍の先鋒として活躍した信濃国松
尾城主小笠原信嶺が武蔵国児玉郡内1万石を領有して本庄城主となって本庄藩は立藩した。
1598年信嶺が没し、酒井忠次の三男信之が養嗣子となって遺領を継ぎ、信嶺の弟長巨は
家康の命で伊豆木へ移った。長巨の後、1634年長泰−1676年長朝−長貞−1721
年長暉−1739年長孝−1775年長熈−1785年長著−1813年長計−1820年
長厚−1847年長裕と続いた。1872年書院と玄関を残して取り壊され、1952年書
院+玄関が国重要文化財に指定。1969〜1970年書院の解体修理で、寛永初期(16
24〜1634)頃に完成したことが判明した。現在は物見櫓、太鼓門辺りに石垣が残り、
市内に太鼓門が移築されている。


【所感】県道491号線沿いの駐車場に車を止め、そこから歩いて大手橋を渡り、坂を登り
切ると旧小笠原書院が在ります。書院に入るには300円が必要ですが、簡単に説明を受け
たところ、『国重要文化財・旧小笠原家書院』の標柱が立つ屋敷の門は後に築かれた物であ
り、書院の一部に別の建物に有った玄関を移築して、書院+玄関で『国重要文化財』に指定
されているそうです。特に珍しいのが、書院の南端が懸造りになっている点です。普通なら
地面がある場所で間取りを考える、土地が足らなければ石垣を築いて広くするといったこと
を考えますが、腐りやすい木で支え、冬は床下から冷たい風が吹き込みそうな懸造りにする
必要性がどこにあるのか、係の方に聞いておけば良かったと後悔しています。書院の内部は
4つの広間に区切られ、南一の間の火灯窓はなかなかお洒落な造りになっているな〜と感じ
ました。移築された太鼓門はなかなか立派な建物です。




大手橋



御門坂



太鼓門跡



物見櫓跡



屋敷門



旧小笠原家書院【国重要文化財】





玄関【国重要文化財】



書院南二の間・旧小笠原家書院【国重要文化財】



書院南一の間・旧小笠原家書院【国重要文化財】



書院 北一の間・旧小笠原家書院【国重要文化財】



書院 北二の間・旧小笠原家書院【国重要文化財】




書院 厠・旧小笠原家書院【国重要文化財】



書院 懸造り・旧小笠原家書院【国重要文化財】



移築 太鼓門・専照寺山門