遠江 篠ヶ嶺城
Sasagamine castle

篠ヶ嶺城跡【静岡県浜松市天竜区春野町気田】

【立地】山城
【別称】笹嶺城・篠嶺城・篠嶺古城・笹峰城

【市指定史跡】

【歴史】築城年は定かではない。蛇行する気田川に囲まれた標高270m、比高100mの
尾根上に築かれた山城で、犬居を領する天野氏の支城と云う。戦国期、天野安芸守景泰〔安
芸守系・惣領家〕、信玄に仕えた天野宮内右衛門尉藤秀〔宮内右衛門尉系〕が在城。156
2~1566年『遠州忩劇』の後、惣領家が安芸守系→宮内右衛門尉系に変わると、藤秀は
犬居城へ移り、篠ヶ嶺城は和田河内守秀長〔天野景秀の四男〕が在城した。1574年家康
の『犬居城攻め』の際、和田氏は篠ヶ嶺城から出陣している。現在は山林となり、曲輪、堀
切、土塁が残る。

【所感】南北に長い尾根の北端から登りますが、城跡一帯は私有地なので、車は木ノ子島橋
〔吊り橋〕を渡らず、気田川沿いで駐車出来そうなスペースに止めましょう。登城口を示す
標柱も道も無いので、私は山に最も近い廃屋の横から直接斜面を登りました〔ストックは必
要です〕。登り切った平坦な杉林を左前へ進むと、尾根道が現れます。途中、倒木を交わし
ながらひたすら上がって行くと、初めに浅~い堀切、続いて土橋の右手に長い片堀、そして
二の曲輪に着きます。正面に見える切岸の上が本曲輪で、右へ回り込んで倒木エリアから上
った場所が本曲輪の虎口跡になります。本曲輪は地面が見えないほど若木やシダで埋め尽く
され、曲輪の端を進むと、土塁と本曲輪の端に着きます。土塁上を歩き、城址碑や看板が立
つ一段高い場所が物見台曲輪と呼ばれる最高地点です。その奥に堀切があるはずですが、現
在は腰まで伸びたシダに埋もれて全く見えない状態です。夏季は尾根道や城跡を草木が覆っ
て遺構が隠れてしまうので、冬季の訪城をお薦めします。道のりは長くなりますが、南の戒
光院〔廃寺〕→気田発電所→直登→鉄塔→尾根道から行く方法もありますが、終盤に極細の
尾根や岩をよじ登る箇所があり、後戻り出来ない危険なルートなのでお薦め出来ません。




笹嶺城趾碑と看板・物見台曲輪



本曲輪東端の土塁







本曲輪の様子・倒木とシダと若木



本曲輪の虎口付近





二の曲輪と本曲輪の切岸



二の曲輪の虎口付近



二の曲輪の土橋横の長い片堀



南端の浅い堀切















尾根道



杉林



登城口→直登











木ノ子島橋→登城口