遠江 殿ノ山城
Tonnoyama castle

殿ノ山城跡【静岡県御前崎市比木】
 賀茂神社【静岡県御前崎市比木2815】

【立地】丘城
【別称】比木の殿ノ山城・殿ノ山

【歴史】低丘陵先端の殿ノ山〔標高52m、比高28m〕に築かれた丘城である。平安期、
比木郷の賀茂神社は藤原朝臣が京都下賀茂神社から当該の私領に勧請したと伝わる。鎌倉・
室町期には比木勝佐墳墓などが存在し、その後、菊川市西方に在る堀田城主の「堀田系図」
に堀内若狭守の母は比木弾正の娘とあることから、比木郷の領主と考えられる。現在は雑木
林となり、曲輪、堀切、土塁が残る。

【所感】比木城と殿ノ山城の関連は深く、比木城跡の南に古道が残っていますが、現在は放
置されているため、笹が密生して通れない状態になっています。中間部分は舗装路に変わり
、殿ノ山の中腹を通る道は生きています。比木城跡近くで会ったお爺さんは、子どもの頃、
古道を使って通学していたそうです。殿ノ山城跡の登城口は山の北側の階段で、笹や倒竹・
倒木・雑草〔すすき〕などをかわし、左上に続く道を上がり切った堀切以南が城域です。北
東角に@「大土塁跡」・大土塁跡西隣りにA「小曲輪」・大土塁跡南隣りにB「曲輪B」、
@ABの西〜南をL字のように囲む「曲輪A」は最大の曲輪、「堀切」から入る虎口・「曲
輪C」へ下りる虎口の2つがあります。「曲輪C」はJのような形で「曲輪A」から一段下
がった南隣りに在り、東端は土塁で留めています。とにかく登城道も未管理、城跡内も雑木
林で荒れており、遺構撮影が難しい状態になっています。縄張図や歴史が描かれた殿ノ山の
看板は城跡の南側に有ります。







殿ノ山の看板・殿ノ山城跡南側



殿ノ山城跡→比木城跡へ下る道



登城口・殿ノ山城跡北側













登城道



登城道→堀切・大土塁跡





城域北端の堀切





大土塁跡・北東角



小曲輪・大土塁跡西側



曲輪B・大土塁跡南側



曲輪A北西端〔堀切側〕の虎口









最も広い曲輪A・雑木林





曲輪C・曲輪A東側・雑木林





曲輪C西端の土塁