琉球 糸数城
Itokazu castle

    糸数城跡【沖縄県南城市玉城字糸数】
糸数アブチラガマ【沖縄県南城市玉城字糸数667−1】

【立地】丘城
【別称】糸数グスク

【国指定史跡】糸数城跡

【歴史】標高180mの琉球石灰岩の丘陵上に築かれた丘城である。伝承によると、三山分
立時代〔14世紀〕、玉城グスクを拠点に一大勢力を誇った玉城按司が二男を大城グスク、
三男を糸数グスクに封じたことに始まるとされるが、創建年代を示す確かな資料は無い。糸
数按司の部下で大力無双の比嘉ウチョーが増築に必要な材木などを購入する為に国頭へ出掛
けていた。留守の間に真和志地方で勢力を誇っていた上間按司が糸数グスクを急襲。糸数按
司は城を守るも反撃出来ず、落城となる。ウチョーが駆けつけた時には時すでに遅し、敵兵
に囲まれて討死、糸数按司が滅亡した。1972年国指定史跡。現在は石垣、門が残る。

【所感】玉城城跡の駐車場からグスクロードを2.5km西進した突き当りに糸数アブチラガマ
があります。ここを左折して100m程走った左の坂道〔右手に糸数城跡300mの看板〕
を上ると駐車場〔石垣の手前に駐車スペース〕に着きます。石垣の切れ目の先に糸数城跡碑
、城跡碑右前の茂みに糸数城之嶽、城跡碑から左へ進むと糸数按司の墓、メインの遺構とな
る城門・石垣に至ります。城門はアーチ門ではなく、琉球石灰岩を加工した四角い石が積ま
れ、内側に縦溝が1本あります。門柱が入る溝なのか?防御に関連するものと思われます。
石垣にアザナと呼ばれる凸状の物見台〔櫓〕が南・北にあります。南のアザナ横にも旧虎口
〔南の虎口跡〕を改修した凸状のものがありますが、このように凸状のものが石垣を登ろう
とする敵兵に対して側面攻撃〔横矢掛り〕が可能になります。石垣の内側に武者走りが造ら
れ、陸続きのエリアは石垣でしっかり防御されています。





糸数城跡北端の石垣



糸数城跡碑



糸数按司の墓





ニシ(北)のアザナ(物見台)・糸数城跡東端



糸数城跡東端の石垣(内側)











フェー(南)のアザナ(物見台)・糸数城跡南東端の石垣











糸数城跡南東端の石垣(内側)







城門・糸数城跡東端