武蔵 奈良梨陣屋
Naranashi jinya

奈良梨陣屋跡・八和田神社【埼玉県比企郡小川町奈良梨929・930】

【立地】平地

【町指定史跡】

【歴史】1590年諏訪頼水が構えた陣屋である。諏訪家は信濃諏訪神社の神官大祝家であり、武田信
玄に滅ぼされた諏訪頼重の遺跡を相続した頼忠は武田家滅亡後、家康に仕えた。1590年「小田原征
伐」の際、頼忠は豊臣方で参陣し、戦時中の6月10日、子の頼水に家督を譲る。戦後、家康の関東移
封の際、頼水は武蔵国奈良梨・羽生・蛭川に於いて1万2000石を領有し、奈良梨字吹付に陣屋を構
え、奈良梨藩を立藩した。頼水は父頼忠と共に領内の民政に尽力したが、1592年上野国総社へ転封
となり、奈良梨藩は廃藩、幕府領となった。現在は神社となり、土塁、堀が残る。


【所感】県道296号線と県道11号線が交わる奈良梨信号交差点から北へ延びる道を300m程進む
と、陣屋跡とされる八和田神社が在ります。1907年以前は諏訪神社と称されており、境内に大スギ
があります。神社の北側には本殿をコの字型に囲むように土塁が残り、神社の東側に浅い堀が走ってい
ます。2年という短命にもかかわらず、遺構が残っている点に凄さを感じます。「儀一の城館旅」の管
理人さんに案内頂きました。感謝!


 

神社北側の土塁〔写真:左〕神社北西角の土塁〔写真:右〕

 

神社東側の堀と土塁〔写真:左〕奈良梨陣屋跡の看板・神社北東角〔写真:右〕