尾張 織田宰相宅
Oda Saisho residence

織田宰相宅跡【愛知県小牧市小木】
 宇都宮神社【愛知県小牧市小木3丁目229】
織田井戸公園【愛知県小牧市小木2丁目】

【立地】平城
【別称】小木城

【歴史】永正年間(1504~1521年)、織田宰相が居住したと云う。場所は宇都宮神社の北辺り
とも云われるが、不明。


【所感】小木の地は宇都宮神社〔県道25号線〕を中心に南北に細長く在ります。県道156号線に沿
って北から小木古墳群〔甲屋敷古墳・宇都宮神社古墳・浄音寺古墳〕、そして、浄音寺・真通寺・世尊
寺・妙経寺・薬王寺と南北に連なって寺院群が在りますが、嘗て、この辺りに平手政秀の政秀寺〔15
53年信長建立〕も在りました。宇都宮神社の北東400mに織田井戸公園が在ります。この辺りが織
田宰相宅とも云われていますが、井戸跡の遺構は無く、織田井戸の由来も分かりません。公園の北端に
織田井戸遺跡の看板が立てられていますが、公園から北方200mの県道451号線が遺跡発掘場所で
、縄文時代早期の集落跡だそうです。誰か織田井戸公園の名称の由来、分かる人はいないでしょうか!
ちなみに宇都宮神社は、尾張の守護代織田常昌が夢のお告げ下野国宇都宮の二荒山神社の神を1429
年に祀ったことが始まりだそうです「愛知県の歴史散歩㊤尾張」。“織田伊勢入道常松は(織田常昌と
も)”と「戦国人名辞典」にある。

《宇都宮神社古墳》全長五九メートルの周溝をもつ前方後円墳であるが、前方後方墳の可能性も否定で
きない。昭和四年、本殿建立の時、後円部の墳頂部のやや南東によった所で小口割石積の竪穴式石室が
発見され、三角縁獣文帯三神三獣鏡(県指定有形文化財)一面が出土した。鏡は、仿製鏡としてはきわ
めて鋳上がりの良好な秀品で、佐賀県谷口古墳、岐阜県長塚古墳出土の鏡と同氾である。宇都宮神社古
墳の近くには浄音寺古墳、甲屋敷古墳などがあり、小木古墳群を形成している。この中で最大で、古墳
群の中心的位置を占めていたと推測され、また、同氾関係の認められる鏡を出土した前期古墳のひとつ
として、尾張における古墳文化の発生と展開を考察するにあたって、その学術的価値はきわめて高い。


《織田井戸遺跡》織田井戸公園から北へ約二百メートルほどの県道名古屋外環状線付近にあった縄文時
代早期の集落跡である。古くから縄文時代の出土品が知られ、昭和三十八年と四十八年に小規模な試堀
調査が行われていたが、昭和五十六年に土地区画整理事業の施行に伴い、本格的な発掘調査が行われた
。その結果、縄文時代早期の竪穴式住居跡、多数の土坑やピット、弥生時代や古墳時代の溝などが発見
された。住居跡は一基だけであるが、多数の遺構が確認されたため、定住生活を営んでいたものと考え
られる。出土遺構には、縄文時代早期の代表的な土器である押型文土器、撚糸文土器、狩猟のための石
鏃や削器などの石器のほか、異形局部磨製石器や古代の装身具である垂飾などの特殊な石器がある。出
土遺物の主なものは、小牧市歴史館に展示されている。



 

織田井戸公園〔写真:左〕宇都宮神社古墳【県指定史跡】〔写真:右〕