蝦夷 志苔館
Shinoridate residence

志苔館跡【北海道函館市志海苔町】

【立地】丘城
【別称】志濃里館・志濃利館・大澗館

【国指定史跡】志苔館跡

【歴史】築かれた年代は定かでない。康正年間(1455〜1457年)頃、小林太郎左衛門良景に拠
っていたが、良景の祖先は上野に住し、良景の祖父次郎重弘の時、蝦夷に渡ったとされる。築城は14
世紀初頭か。1512年蝦夷の攻撃により宇須岸〔箱館〕・志濃利〔志苔〕・与倉前〔志苔館の支館〕
が落城、志濃利館主2代小林弥太郎良定は戦死、館は放棄された。1514年小林家3代良治は松前の
蠣崎光広に仕え、松前に移って志苔館は廃館になったとされる。1934年国史跡に指定され、現在は
曲輪、土塁、堀が残る。

【所感】志苔館跡は函館空港の南側に位置し、館跡から離陸する飛行機の音や機体が良く見えます。逆
に飛行機で離陸の際、地上から機体が離れる辺りで館跡が見えます。単郭の館跡ですが、西側の高い土
塁と深い二重堀、広い曲輪、全周を囲む土塁も全て大変見応えがある遺構です。見晴らしも良く、西方
遠くに函館山、南方に津軽海峡、北方に函館空港、風が気持ちイイ高台です。





曲輪西側の二重堀と土塁

 

志苔館跡の石碑と看板〔写真:左〕門跡〔写真:右〕





曲輪を囲む土塁



曲輪

 

井戸跡〔写真:左〕曲輪南端の切岸〔写真:右〕