三河 姥ヶ懐砦
Ubagafutokoro fort

姥ヶ懐砦跡【愛知県新城市乗本字姥ガ懐】

【立地】丘城

【歴史】１５７５年「長篠、設楽ヶ原の戦い」の際、鳶ヶ巣山砦から北
方へ伸びる標高１５０ｍ、比高１００ｍの丘陵端に三枝守友・守義・守
光、草刈隼人助、宍戸大膳他３５０騎が構えた砦である。武田勝頼は１
万５０００の兵を従え、長篠城を包囲。北から君ヶ伏床砦〔和田信業・
長竹昌基・反町大膳他３００騎〕、姥ヶ懐砦、鳶ヶ巣山砦〔武田兵庫頭
信実２５０騎・小宮山信近２５０騎〕、中山砦〔五味貞氏・飯尾助友・
飯尾祐国・名和田晴継・名和無理之助他２４０騎〕、久間山砦〔和気善
兵衛・大戸直光・倉賀野秀景、原胤成、野州浪人組他３００騎〕の５砦
に兵を配した。５月２０日勝頼本陣が設楽原へ進出した際、長篠城の押
さえとして５砦はこの地に留まったが、２１日夜明け、酒井忠次他４０
００騎＋鉄砲隊５００に背後を突かれ、落城となる。『姥ヶ懐砦』本多
広孝・松平真乗・近藤秀用らは、夜明けとともに姥ヶ懐砦の裏木戸を攻
め寄せた。小競合いのあげく、松平真乗の隊は砦の真上からさか落とし
に砦中へ切り込み、その混乱に乗じて本多康重は家来の山下庄左衛門を
従えて裏木戸の柵を破って突入し、主将の三枝守友を討ち、川合半兵衛
・梅村喜八郎は三枝守義を討った。そこへ君ヶ伏床砦を落した松平清宗
・加藤影村らが加勢に駆けつけ、草刈隼人助は近藤秀用・今井喜助・鈴
木半兵らに討たれ、宍戸大膳は大村源十郎に倒された。現在は山林、茶
畑に変わり、曲輪が残る。

【所感】長篠城跡南の牛込橋を東へ渡り、正面のＳ字カーブから道なり
に細道を進みます。３００ｍ程進んだ三叉路右の坂道を上り、大日山安
居院を経て、右カーブ途中の右上に見える茶畑が砦跡になります。上段
の茶畑を北方へ進むと、堀切のような道と土塁状の盛り上がりが在りま
すが、猪垣のようです。砦跡の北麓には「姥ヶ懐武田浪人組陣地」「三
枝兄弟ノ墓」が在ります。県道６９号線側の「三枝兄弟墓入口」の石碑
が在る場所から２００ｍ程山道を登った所です。


　

姥ヶ懐砦跡・茶畑〔写真：左〕三枝兄弟墓入口の石碑〔写真：右 〕

　

姥ヶ懐武田浪人組陣地の石碑／三枝兄弟の墓〔写真：左〕猪垣か〔写真：右〕